湧水生かした甘味人気

わがマチ イチ押し

湧き水が滝のように噴き出している。その量、一日8万トンに達する。

役30万人分の生活用水に相当すると聞いたが、どうもピンとこない。計算してみたら1秒当たり500mlのペットボトルでなんと1850本分だった。羊蹄山(1898m)に振った雨や雪がここから湧き出てくるまでに、70~80年かかるという。水温は1年を通じて6.5度前後。適度なミネラルを含んだ軟水で、飲んでみたら、まろやかで実においしい。水くみ場に行列ができているのも無理はない。4Lのボトルを10本以上持ち込んで水をくんでいた男性(77)に声をかけてみた。「うちではご飯やコーヒーに使ってるよ。やっぱり違うよね」。苫小牧から毎月1時間半かけて通っているという。

この名水に目をつけて、公園内に「自家焙煎珈琲かふぇもか店」を開いたのが、駒谷妙さん(44)とご主人。「もちろんコーヒーもお薦めですが、最近は湧き水で深みのある味わいを引き出したカラメルソースプリンが人気です」と瓶詰の商品を紹介してくれた。「なめらかな食感を追及して、豆腐の絹ごしならぬ『つやごし』という造語で売り出ししています」

公園は約5万7200平方メートルの敷地内に、湧き水が作った池が広がり、森の中に水辺の遊歩道が整備されている。京極町企画振興課の山木哲主幹は「ここは四季折々の魅力がありますが、紅葉真っ盛り。ぜひ癒されに来てください」と話していた。